異世界に行けなかった俺の半生。第12話【継承編】崩壊した会社に、“もう一度、光を灯した男”の記録。

当ページのリンクには広告が含まれています。

▶ 前回(第11話)はこちら
― 壊れた会社。社長の信念、部長の意思。今度は俺が立て直す。 ―
異世界に行けなかった俺の半生。第11話【新体制編】誰も動かないなら、俺が動く。

▶︎ 最初から順番に読む

再び現場へ ― 三足のわらじの再出発

意気揚々と、江東店へ向かった。
何もできなかった前回とは違う。

今度は――「俺が店舗を立て直す」ために行く。

早朝の電車。
吊り革を握る手に、少しだけ力が入る。
販売センター、人事、そして店舗。
三足の草鞋(わらじ)。

誰がどう見ても無理ゲーだ。
三つの部門を、同時に管理できる奴がいるなら会ってみたい。

「三倍の仕事量なら、給料三倍は欲しいよな、実際。」
苦笑しながら、窓の外を見た。

朝の光が、ガラスに滲んでいた。

葛飾の倉庫で一緒に育った「販売センター」の部下たちは、もう一人前だ。
電話一本で指示を飛ばしても――いや、俺がいなくても、きっちり現場を回してくれる。
頼もしい。
でも、要らないとかは言わないでほしい。俺が傷つく。

鍵を開け、錆びたシャッターを上げた。

「ガラガラガラガラッ」

江東店の倉庫駐車場に入った瞬間、息をのんだ。

壊れたまま放置された、埃だらけの配送車。
油と砂埃の混ざったにおい。
割れた蛍光灯がぶら下がり、倉庫は沈黙していた。

中に入ると、すでに出勤していた四人の女性ドライバーがこちらを見た。
無言。
その目には、明らかな敵意があった。

「あの葛飾の倉庫での出来事」――女性主任の顔が一瞬頭をよぎる。
思わず背筋がこわばった。

逃げねえぞ。絶対。

俺の目標は、この店を“全国のモデル店舗”として蘇らせることだ。

数字だけじゃない。

人が辞めず、自発的に営業し、
黒字の小さな会社みたいに回る店を作ること。

そのために、俺はここに来た。

初日の失笑 ― 拒絶の現場

出勤してきたドライバーたちが、ちらちらと俺を見た。
誰も話しかけてこない。

ここで俺は、ただの「見知らぬ新人扱い」。
ゼロベースのスタートだ。いやマイナスかもしれない。

――これから、俺の一挙一動が評価される。

時間になり、朝礼を始めた。

「おはようございます。
 今日からこの店舗の店長になります。」

声がやけに響いた。
誰も挨拶を返してこない。

「時間もないと思うので、今日は挨拶だけにします。
 みなさんがこれまで大変な思いをしてきたのは知っています。
 私はそれを改善するために、ここに来ました。

 目標は――この店を、全国一のモデル店舗にすることです。」

一瞬の静寂。
その直後、どこからか失笑が漏れた。

「早速、綺麗事言っちゃってるよ」
「ここがモデル店? ははっ。」
「本社で夢でも見てたんじゃねぇの?」

ざわつきが広がる。
空気が冷たい。

俺は笑ってごまかすように言った。
「まあ、皆さんがそう思うのも無理ないですよね。」

――そして、ひとつ伝えておかないといけないことがある。

「それと…私は免許を持っていません。
 なので、配送はできません。」

空気が、完全に止まった。
どこかで咳払いが一つ。
次の瞬間、誰かがぼそっと言った。

「免許ないのに、配送店に何しに来たんだよ。」

他にも聞こえた。
「役員と一緒じゃん。偉そうなだけで何もできねぇ。」

おいおい、全部聞こえてるぞ。

それでも、言葉は飲み込んだ。
今は言い返すより、現場を見なきゃいけない。

「それではみなさん、よろしくお願いします。」

誰も返さないまま、朝礼は終わった。

初日から、嫌われた。

――前途は、多難だ。

誰か助けて。

無免許店長の配送 ― 泥臭い現場

朝礼が終わっても、誰も俺に話しかけてこなかった。
笑顔どころか、視線さえ合わない。
その空気の中で、FAXの音が鳴った。

「ピー……ガガッ」

一枚の紙がゆっくりと出てくる。

『辞めます 〇〇』

たったそれだけ。
FAX退職だよ。
すげえな。
こんな画期的な辞め方、初めて見た。
機能美だね。

「ちっ……またかよ。
 店長、どうします? コース一個、空きましたけど。
 歩いて台車で配送します?」

後ろから笑い声。

……好きに言え。
でも、やるしかない。

「辞めた人のコースを教えてください。
 それと伝票組み、荷物は仕分けておいてください。
 配送は、なんとかします。」

そう言ってポケットから携帯電話を取りだした。
神田にいる部下に連絡する。

「悪い、急きょドライバーが抜けた。
 お前、今日運転手な。」

『えっ!? 俺がですか!?』

「そう。俺、免許ないから。」


こうして慣れない二人組の、愉快な配送が始まった。

地図も読めず、納品先も初めて。
トラックを停める場所もわからず、幹線で渋滞に巻き込まれる。

部下の運転が上手いことだけが、救いだった。

「生意気な。」
部下の頭を、軽くはたく。

「いてっ。」



「ここ右ですか?」
「いや、左じゃね?……たぶん。」
「たぶんて!」

もう笑うしかない。
汗だくで、伝票はぐしゃぐしゃ。
車内の空気はどんよりしてたけど、
途中で、少しだけ笑いがこぼれた。

「この感じ、文化祭の準備みたいですね。」
「俺ら、やってること、どう見てもプロっぽくねぇよな。」
「そんな人が、店長って。」

……パシッ!

そんな会話で、なんとか気持ちを保った。


ようやくすべて配り終えて帰庫。
倉庫に戻ると、誰かが言った。

「店長、遅いよ。路線便、待ってんだけど?」

怒られて、頭を下げた。
初日から、ひどい目に遭った。

……シュン。

横乗りと再構築 ― 俺は聴く店長

現場の空気は、まだまだ重かった。
でも、黙っていても何も変わらない。

俺は、全員の“生の声”を聞くことにした。

翌日から順番に、ドライバーの助手席に乗ることにしたんだ。
いわゆる「横乗り」ってやつだ。

一人ずつ。
朝から晩まで。
総勢三十名――。

ハンドルを握る彼らの横顔を見ながら、
ただ、話を聞いた。

車の中のような密室は、そういった声が聞きやすい。
――本音を聞くには、うってつけの場所だ。

「配達先が増えすぎなんですよ。」
「一人が担当するエリアが、広すぎ。」
「新人が入ってもすぐ辞める。教えるだけ無駄。」

「……俺は別に。
 俺のことは、今のまま放っておいてくれ。」

どの車にも、不満が積まれていた。
でも、誰も間違っていない。

ノートにメモを取りながら、俺は気づいた。
この会社の問題は、誰も従業員の“話を聞いてこなかった”ことだ。


三ヶ月近くかけて、全員と話した。
朝は助手席。
路線便の積み込みが終わった夜は、メモをまとめる。

気づけば、ノートが一冊、びっしり埋まっていた。


俺という存在に慣れたのか、少しずつ、笑いが混ざるようにもなった。

「店長、マジで俺らの話聞いてるだけで大丈夫なんすか?」
「うるさいよ。聞くのが俺の仕事なんだよ。
 毒吐いて、少しは楽になったろ? お前らだって。
 たまには俺の毒も聞いてくれよ。なあ。」
「嫌ですよ。ドス黒そうだし、内容想像するだけで怖いです。」


ドライバーが帰った後も、事務所に残ってPCのモニターを眺める。
課題は、山ほどあった。

人員不足。
ドライバーの負担過大。
営業意識ゼロ。
横のつながり欠如。

全体的に陰側に引っ張られているーー。

中には、コールセンターの指示に怒鳴り散らし、
その指示を完全に無視するドライバーもいた。

特に一名。
コンプライアンス的な問題がある奴がいた。

正直、こいつの横には、もう乗りたくない。

病巣は、思ったよりも深刻だった。

これは、俺が上から命令しても変わらないだろう。

だったら――
現場側から変えるしかない。
ボトムアップだ。

リーダーを置こう。
各エリアに一人ずつ。


翌週の夜。
路線便への積み込みが終わったあと、適性がありそうな五人のドライバーを呼び出した。

「君たち、今日からエリアのリーダーな。
 会社の正式な役職じゃないけど――でも、絶対損はさせない。
 店舗改善のためと思って、頼むよ。」

「……え、手当は?」
「出ない。今コーヒー奢るよ。」
「マジかよ。」

それでも、彼らは笑った。

「店長、マジでやる気なんだな。」
「おう。俺は、やるときはやる男だ。免許ないけどな。」
「俺、何も言ってないじゃないですか!」

倉庫の片隅に、初めて“前向きな声”が生まれた。

問題児たちとの対峙 ― 壊れた歯車

二人の“クセ者”がいた。
どっちも口が悪い。態度もでかい。

客先からのクレーム、コールセンターには逆ギレ。
それでも、配送スピードだけは速い。

配送だけはできる。
しかしーー。


一人は、寡黙な男。

関西弁の中に、標準語の響き。
東京に長く住んでいることが伺える。

無口で、淡々として、何を考えているのか。
掴みどころが分からない。

荷物を積む姿を見て、思った。
──動きが、きれいだな。

「店長、あんた料理人やってたんやってな」
横乗りの道中。
突然、そんなことを言われた。

「料理に段取り八分って言葉あるやろ。配送でも一緒や。
 ルート考えて伝票組んでな。
 一度決めたら、もう順番は動かさん。」

言葉に飾り気がない。

段取り八分の意味は理解した。
確かに料理と同じだ。

その後も会話はほとんどない。
時折、職人ドライバーが呟く。

「日本の道は左側通行やろ。
 せやから、左に配送先を置いてルートを決めるんや。
 できるだけ右折はしない。左折、左折、左折や。
 右側に配送先があると、車を止めてから距離が出来る。
 それが時間の無駄や」

何気ない言葉なのに、
俺の中で、尊敬の念が湧く。
“この人、プロだ”と感じた。


もう一人は、真逆。
いつもニヤニヤと人を小ばかにしたような笑いを浮かべて話す。
「免許取って、ドライバーからやり直したらいいんじゃねえの?」
「偉そうにしてても、誰もついてこねぇよ」
 少し間を置いてから、
「みんなそう言ってる」と。

口の端を歪めながら、笑う。
一言一言がトゲの塊。

声が大きく、力だけで押し切るタイプ。
経験が長いだけで、技術を突き詰めた形跡はない。

でも本人だけは、職人ドライバーと同格だと思ってる。
……笑える。
裸の王様だな。

それと、俺のことを完全にナメていた。

おそらく、配送の経験も無い若造が、自分の上に立ったのが気に入らない。
「こいつが居座ると自分の好きにできなくなる」と考えている節もある。

店舗改善。

これをデメリットと感じる存在もあるんだな。

そのことに初めて気づいた。

ただ、あの寡黙な職人ドライバーの前では、トーンが落ちる。
目を合わせない。
肌で“差”を感じ取っているんだろう。


翌朝。
俺は職人ドライバーとさらに距離を詰め、半分無理やり一緒に作業した。
伝票組みは俺がやり、荷物を積んで、助手席に乗り込んだ。

「また俺の車か。勘弁してくれ」

「今回の伝票組みは、完璧ですよ」

「んな簡単なもんちゃうやろ。」

道中、自分がこの店をどう変えたいのか、俺の夢を一方的に話した。

聞いているのか、聞いていないのか。

ふと隣を見ると、職人ドライバーが小さくうなずいた。

「リーダー制度か。
店長、あんた本当にやれると思っとんのか」

「当然。
 俺、口だけの上司は嫌いなんですよ。
 たとえば、偉そうなだけの役員とかね」

ハンドルを握りながら、男が少し笑った。
その笑い声が、車内に静かに響いた。

少しだけ、現場に“風”が通った気がした。

ヘビークレームと現場の修羅場

少しずつ、店は回り始めた。
リーダーたちも、それぞれの持ち場で声をかけ合い、
沈んでいた空気に活気が戻ってきた。

ようやく“店”らしくなってきた。
そう思った矢先ーー。

机の上に、封筒が置かれていた。

中に入っていたのは、コールセンターからの「クレーム報告書」。

一件、二件……いや、五件。

「解決せよ」。
最後にそう書かれていた。

全部、放置されていた損害賠償レベルのやつだ。

「……マジかよ。
 胃がいてえ。」

その日から、また地獄のような日々が始まった。


取引先を回り、頭を必死で下げ続けた。
怒鳴られるのは当たり前。
時には、襟首を掴まれて殴られそうにもなった。
女性が本気で怒るとこうなる。
というシチュエーションを、身を持って体験することも出来た。

それでも、逃げなかった。
逃げたら、また“あの頃”に戻る気がしたからだ。

「またあんたか」
そう言われようと、何度も何度も足を運び、
損害が出ている案件は、会社として誠実に補償した。
やり直すために、謝って、詫びて、また謝った。

時には、土下座もした。
今の時代に土下座とか、と思うかもしれないが――その効果は凄まじい。
問題解決できるなら、出来る事はなんだってやる。
そんな俺の勢いが勝った。

ヘビークレーム四件は、なんとか解決。
しかし、一件だけは、どうにもならなかった。

この件は、そのまま訴訟問題にまで発展した。
ここまでくると、店長レベルで対応できる話じゃない。

本社に引き継ぎ、弁護士対応案件となった。

でも、不思議と悔しさはなかった。
“俺にやれることは全部やった”と、思えたからだ。

全身全霊とは、こういうことを言うんだろうな。

衝突 ― 営業宣言と火種

店長に就任してから半年が過ぎた。
あの暗黒地帯みたいだった江東店が、ようやく店としての呼吸を取り戻していた。

朝の倉庫にはコーヒーの香り。
誰かが持ってきたスピーカーから、微かにラジオが流れている。
出発前の点呼で、笑い声が混じるようになった。

倉庫の床は、光を反射するほどピカピカだ。
最初の頃は俺が毎朝モップを握っていたけど、今じゃ誰かが“当然のように”やってくれている。

「この会社、ちょっと変わったよね」
そんな声が聞こえると、少しだけ心が熱を持った。

──でも。
変わったのは、まだ“器”だけかもしれない。
“中身”は、まだ眠ったまま。

このままじゃ、いつ止まったっておかしくない。
危機感を募らせる。

朝礼の時間。
全員の顔を見渡しながら、俺はゆっくりと息を吸った。

「今日、皆さんにひとつ言っておきます。」

ラジオの音が止まった。
空気が、すこし張り詰める。

「初日に話した通り、私はここを会社のモデル店にするつもりです。
最終目標は――店舗の完全黒字化。

この店の力だけで、採算ラインに乗せ、
自分たちの力で、店が生きていける”ようにします。

そのためには売上が必要です。
各コース、新規顧客を獲得してください。」

言い終えた瞬間、
倉庫の空気が変わった。

ラジオの音も止まり、
誰かの呼吸音だけが聞こえる。

沈黙の中で、誰かが鼻で笑った。

「……冗談じゃねぇよ。」
「営業とか意味わかんねぇし。」
「配送だけで手一杯だろうがよ!」

ひとりがつぶやくと、
それが波のように広がっていく。

冷たい笑いとため息が混じる。

俺は、耳を傾けその全てを聞いた。
顔を上げたまま。

手のひらには汗。
でも、声は震えなかった。

「配送していれば、働いているという実感は得られるでしょう。
 でも、配送だけで終わらせたら、きっと会社は潰れます。
 売上を作るのは“会社”じゃないんです。
 俺たち現場なんです。」

言葉を吐くたびに、
喉の奥が焼けるように痛かった。

そのとき、前列の男が一歩前に出た。

「営業なんかできねぇだろ。
 あんたがやれば? 免許もねぇんだからよ。」

――来たな。

視線が交わる。
倉庫の蛍光灯が、少しだけチカチカと揺れた。

「ついてくるか、来ないかは自由です。
 でも、邪魔をするなら……俺にも考えがあります。」

静まり返った倉庫の中で、
油の焦げたような匂いが鼻を刺した。

誰も動かない。
ただ、その匂いだけが、
火種のように漂っていた。

酒の匂い ― 崩壊の記憶

朝。
階段を降りた瞬間、鼻の奥を刺すような匂いがした。

アルコール。

この匂いを、俺は知っている。
嫌というほど、子供の頃に嗅いできた匂いだ。

営業の接待を終え、終電も終わった深夜に帰ってくる父親の匂い。

ほんの一瞬、あの頃の夜がよみがえる。
突然点灯する玄関の電気、父が酔って転んだ音、母の怒鳴り声。
あの空気を、まだどこかで覚えている。

――まさか、今の仕事で「また」あの匂いを嗅ぐことになるとは。

階段下。
そこにいたのは、例の問題ドライバーだった。
目が赤く涙目、足取りがふらついている。

「おはようございます。」

挨拶すると、
あいつは俺の方に顔を近づけてきた。

「……なんすか、その顔。」

酒の匂いが、吐息に混じって広がる。

「酒くせぇな。帰れ。」

その一言に、あいつの目が光った。

「なんだと? この野郎!
 偉そうに何なんだ!?」

ドン、と胸ぐらを掴まれる。
倉庫の空気が一瞬にして凍った。

「酒残した奴を車に乗せるわけねえだろ。
 仕事舐めてんのか?帰れよ。」

その時だった。

「おい、やめとけ。」

低い声が響いた。
振り返ると、作業服の袖をまくった職人ドライバーが立っていた。
腕には古びた軍手。
無駄のない動きで、掴んでいた腕を一瞬で外す。

「ここは職場や。
ケンカなら外でやれ。」

静かな声なのに、倉庫中に響いた。

あいつは舌打ちをして、腕を振りほどいた。

「配送もできねえ店長が! だったら辞めてやるよ!」

その言葉に俺は反応した。

「俺はな、その”辞めてやるよ”って言葉が大嫌いなんだよ。
 俺が抜けたら、穴が開くから辞めさせられないだろう。
 そうやって脅してるんだよ。俺を。
 本当に辞める覚悟があるのか?あんたは。」

「覚悟だ?脅しじゃねえ!辞めてやるよ!」

「いつ」

「今だよ!」

「わかりました。受理します。今までお疲れさまでした。
 有給消化と退職手続きについては、総務に確認してください。」

問題ドライバーは、椅子を蹴り倒し、ドアを叩きつけて出ていった。

そしてこの日を最後に会社を去った。

沈黙。
誰も何も言わない。

蛍光灯が小さくチカチカと鳴っていた。

やがて、職人ドライバーがぼそっと言った。

「……あんた、本気やな。」

俺は少しだけ笑った。

「やるしかないんで。
 本当は殴られて終わりにしようと考えてたんですが、
 痛い思いをしないで済みました。助かりました。」

彼は、静かに笑った。
その目は、現場を長く見てきた人間の目だった。

――この人とは、
長い付き合いになる気がした。

職人ドライバーが言った。

あの一件のあと、
倉庫の空気が少しだけ澄んだ気がした。

朝、出発前のエンジン音が重なって響く。
油のにおいの奥に、
コーヒーの香りが混じっていた。

誰も口には出さないけど、
みんな、あの日のことを考えていた。

「だったら辞めます」は通用しない。
 本当に辞める事になる。

そして――その日の午後。

「店長。」

背後から声をかけられた。
振り返ると、あの職人ドライバーが立っていた。
軍手を片方だけ外し、
缶コーヒーを二つ、差し出してくる。

「一本、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

缶のプルタブを開けた瞬間、
香ばしい湯気がふっと立ちのぼった。

倉庫と缶コーヒーのその匂いが、少しだけ昔を思い出させた。

「……あんた、
 本気でこの店を、変えようとしとるんやな。」

静かな声だった。
言葉より、目の方が重かった。

「年甲斐もなく、な。
 俺も、ちょっと熱くなってきたわ。

 あんたの夢に協力させてくれ。
 俺も、もう一花咲かせたい。」

その一言で、
胸の奥が熱くなった。
また、俺を救ってくれる人が現れたんだ。

「ありがとうございます。
でも、こんな古い倉庫が本当にモデル店になると思います?」

「なるやろ。」
彼は笑った。
「現場が生き返れば、会社はあとから付いてくる。」

その言葉が、心に残った。

聞けば、彼は運送会社の元社長だった。
しかも俺が尊敬する「あの」社長とは旧知の中。
「頑張れ」
社長に背中を叩かれたような気がした。

「自分の会社は失敗したけどな……」
一瞬だけ間を置いて、彼は笑った。
「俺の積み重ねてきた経験を、継いでもらい”ますよ”、店長。」

初めて敬語を使われた。
相変わらず言葉に無駄がない。
その背中は、現場を知り尽くした人間のそれだった。

実際のところ、店長としての適性は俺以上にあるんだろう。
それでも、そんな人が俺を助けてくれる。

本当に、いつも人に恵まれているな。俺。

それにしても、俺を助けてくれるのはいつも関西の人だ。
前世で、関西人には相当デカい貸しでも作ったのかもしれないな。


「まず、コースの運用を見直さなあかんな。」
彼の提案は、実にシンプルだった。

・担当コースを三段階に分ける。
 平常コース/サポートコース/緊急コース
 隣接コースに緩衝エリアを設け、貨物量に応じて柔軟に助け合えるようにする。
 緊急コースとは、1コース減の状態で回すコース。急な欠員や新人の研修で使う。

・新人研修の仕組みを作る。
 最初の一週間は横乗り、
 次は緊急コース体制で経験を積み、
 リーダーを中心として無理せず、何か月かけても一人立ちまで育てる。
 

・飛地を解消する。
 橋と線路をまたぐような非効率なルートを再編。
 隣接区の負担を減らす。

・コース増の指標
 営業活動により貨物が増加してくる、コース増のタイミングを間違えない事。

「リーダーが嫌や言うたら、理由聞いてやれ。
 焦らんでええ、一年でも二年でもかかってええ。

 何年も腐ってた店や。時間は気にするな。」

まるで経営コンサルのようだった。
しかも、ほぼ全部が現場で即実行できる内容。
俺はメモを取りながら、内心ゾッとした。
“この人、ガチでできる。”


翌週のリーダーミーティングで内容を共有した。
職人ドライバーも同席した。
ポジションは店長補佐。
もちろん会社非公式の手当なし。

空気が変わった。

「俺たちの意見、聞いてくれたんすね」
「当たり前だ。お前ら現場のプロだろ。俺は無免許のアマチュアだ。
 プロの意見は聞くよ。」

「考えたのは俺やけどな」
そこは俺に花を持たせてくれよ。

笑いが漏れる。
負担が増えたリーダーもいた。
それでも、誰も文句は言わなかった。

「俺はマジでモデル店を目指してる。
 店長補佐とリーダーの皆さんにお願いする。
 ーー頼む。」

しばらく沈黙。
そのあとで、誰かが言った。

「……やったりましょうよ、店長。」


そして、次の一ヶ月。
店舗が、目に見えて変わっていった。

掃除の時間を設け、事務所も倉庫も車も常にピカピカにした。
見た目っていうのは大事だ。
新人が来るたびに、リーダーたちが自発的に教育した。
「店長、こうしたほうが覚えるの早いっすよ」
「アホか、そんなん最初からやってない方がおかしいやろ。」
そんな提案が毎日のように飛んでくる。

チームごとに携帯の連絡用グループを作り、
朝の積み込み・積み残し報告・配送中のトラブルなど、連絡を一元化。
それを全店メールにも反映した。
やがて、ドライバーたちはそれをこう呼んだ。

「また来た、“悪魔のメール”だ!」

笑いが起こる。
でも誰も、本気で嫌そうじゃなかった。
現場が、生き返っていく音がした。


夜、職人ドライバーと缶コーヒーを飲みながら言った。

「この店、変わりましたね。」
「せやろ。人が変わったら、店は変わる。
 店が変われば会社も変わる。」

「会社も変わると良いですね。ほんと。」

倉庫のシャッター越しに、
外の風がひゅうっと通り抜けた。

その音が、不思議と心地よかった。
――再起動の息吹を、確かに感じていた。

腰の痛み ― 人の現場

ある朝、一人の女性ドライバーが俺のデスクにやって来た。
顔をしかめ、腰を押さえている。

「店長……ちょっと、今日腰がやばいです。」

椅子に座るのもつらそうだった。
帰って養生するように言ったが、
それでも、「行きます」と言う。

医者には“安静”と言われているのに、
彼女は「私のコース、ちょっとエグいので代わりがいない」と笑った。

この子のコースは、江東区の臨海地域。
青海から若洲まで、担当エリアは広大で、持ち出し数も半端じゃない。
あの職人ドライバーですら、「マジか」とつぶやくレベルだ。

その笑顔が、逆に痛々しかった。

「運転はできる?」
「できます。」
「じゃあ、運転は任せる。俺が横乗りして降車後の業務全部やるわ。」

一瞬、きょとんとした顔をしたあと、
「ほんとですか!ありがとうございます!」
彼女は小さく笑った。

その笑顔に、壊れかけた現場の“息”を感じた。


午前7時。
いつもの倉庫を出て、彼女が運転する配送車に乗り込む。

ハンドルを握る手は細くて白い。
でも、その動きは迷いがなく、
バックミラー越しの視線も真っすぐだった。

停車、右左折、巻き込み確認、対向右折車両後方の確認。
非の打ち所がない。
彼女もまた、プロのドライバーだった。

俺は助手席で伝票を整理し、配送先では順番に荷物を積み下ろす。

「店長、伝票組み結構上手くなりましたね。」
「俺だって少しは成長してるんだよ。もっと褒めていいぞ。」
彼女が笑う。

たまに後ろで段ボールが滑る音がする。
車の中には、湿った段ボールとハンドクリームの匂い。

途中、信号待ちの赤で彼女がふっと笑った。

「店長、なんか変な感じですね。」
「何が?」
「店長が助手席にいるって。普通逆ですよね。」
「いいんだよ。俺、今だけ荷物係だから。」

笑い合った。

その一瞬で、彼女の痛みの影が少し薄れた気がした。


昼休憩、車内でおにぎりを食べながら、
彼女はぽつりとつぶやいた。

「前の店長のときは……
 “腰が痛い”なんて相談もできませんでした。
 それでも、みんなで協力して、なんとか耐えてきたんです。
 だから、”上の人”って信用できなくて…。」

「……そうか。」

「でも今は違いますね。
 なんか、店長もドライバーも、みんなで頑張ってる感じがして。」

俺はおにぎりを飲み込みながら、
窓の外を見た。

冬の光がビルのガラスに反射して、
白く車内を照らしていた。

「実際さ、俺一人じゃ何にもできないし、今なら俺がいなくたって、みんながちゃんと店舗を回してくれると思う。
 でも、俺はやっぱり、ここを会社に認められるような店舗にして、
 大変だったけどやって良かった!って全員で喜びたいんだ。」

彼女は笑った。
「うん、そういうの、良いですね。
 でも、店長がいなくなったらそれは困ります。」

そんな彼女の横顔を見つめていると。

「店長、私のこと好きになっちゃいました?
 でも彼氏いるんです。ごめんなさい。」

はぁぁぁぁぁ??????
俺告白してないのに、今振られましたぁぁぁぁ!!!


夕方。
全ての配達を終え、戻る途中。
運転席で少し疲れた表情を見せる彼女を横目に、
俺は静かに思った。

――この仕事は、痛みを我慢してまで続ける価値があるのか。
――これじゃだめだ。怪我や病気でも、安心して休めるような環境にしていかないと。


倉庫に戻ると、リーダーたちが駆け寄ってきた。

「店長、今日あのエリアですよね?どうでした?」
「完璧に配完(配達完了)したぞ。」
「マジすか!あの子、腰やってたのに!」

「俺はプロだからな。」

「店長、なんか鼻の下伸びてますよ。」
「当たり前だろ。
 言うこと聞かない、頑固なおっさん達の相手するより100倍楽しかったわ。」

笑いが起きた。
そんな軽口を叩ける関係になっていた。
――ちょっと、嬉しかった。

仕事を介しながら、その女性ドライバーとはいろんなことを話した。
「店長が来てくれてよかった」と、女性ドライバーのみんなも、そう言ってくれているらしい。

店の雰囲気が明らかに変わったのが嬉しかった。
でも、機会がなくてなかなか近づけなかったと。

――こんなに心を開いてくれていたなら、もっと早く話しかけるべきだった。

窓の外を流れる街並みを見ながら、
ふと、苦笑いが漏れた。

「……俺、もしかして女性恐怖症なのか?」


倉庫の隅に差し込む夕陽が、
彼女の頬に当たっていた。

その光が、
まるで“人の現場”の証みたいに見えた。

人の痛みを理解できる現場。
それが、俺の目指すモデル店の形だった。

崩壊と再起動

本社からの電話は、短かった。
「至急、本社の会議に出てくれ」
それだけ。

嫌な予感って、本当にあるんだな。
電話を切った瞬間、胃のあたりがずしんと重くなった。

出発前の倉庫で、職人ドライバーが声をかけてきた。
「店長、顔色悪いで」
「気のせいです。ちょっと、本社行ってきます」

シャッターの隙間から朝の光が差し込む。
その光が妙に冷たく見えた。

久しぶりに見た販売センターの面々。

「長くセンターを空けちゃってごめんな。
 あと少しで店舗もまとまりそうだ。
 で、何があったのか知ってる?」

「雰囲気がおかしいのは感じるんですけど…
 何があったのかまではわかりません。すいません」

別部署だった元倉庫スタッフの女性に聞いたが、何も事情は知らないようだった。

嫌な予感がさらに強まる。

会議室のドアを開けた瞬間、空気が違った。
ざわめきもない。
ただ、沈黙。
コピー機の音だけがカタカタと響いていた。

会議室の中。
役員たちが腕を組み、黙って並んで座っていた。
社長の姿はない。

資料が配られる。
一枚目の文章を見た瞬間、息が止まった。

「資金不足により、今月の給与は、半分しか支払えません」

その一言で、心の中の何かが音を立てて崩れた。
誰も声を出さない。
椅子の軋む音だけが、妙にリアルだった。

「資金繰りの問題で、既に事業譲渡先を探しています。」
そう続ける役員の声は、まるで他人事。

「なんなんだよこれは」
小さく呟いた。

人件費を削るということ。
それは、会社の最後の手段。
「倒産」の二文字がチラついた。

続けて”あの偉そうな役員”が言った。
「結局さ、倒産前と何も変わらなかったんだよ。この会社は。
 どいつもこいつも口ばかりで結果を”出してこない”。
 当然の結果だろう。」

プチッ
何かが切れた音がした。

「俺はさ、あんたらが出した辞令に従って、三部門もの責任者をやった。
 これが会社の再生に繋がるなら、やるしかないと思った。
 本気で取り組んだよ。

 結果、出したよな。
 販売センターは俺がいなくても、しっかり業務を遂行した。
 採用では、東京全体の人員不足を埋めた。
 そして――あんたが腐らせたままにした、あの江東店を立ち直らせた。

 “何も変わらなかった”だ?
 そう言うアンタは、何をやり遂げた?
 ……成果を聞かせてみろよ。」

ーー 一瞬、みんなの顔が頭に浮かんだ。

まさかの反撃に目を丸くする偉そうな役員。
「俺はな、お前ら店長クラスがやれないようなことをーー。」

「具体的な成果を教えろって言ってるんですよ」

ここで本部長に止められた。
「お前、やりすぎだ」

俺は言った。
「現場に伝えるのは、店長ですか?」
「そうだ。店舗責任者として、説明してくれ。」

ふざけるな。
現場だけに泥をかぶせる気か。

「会社のこれだけ大きな問題を、現場だけに押しつける気ですか?
店長の俺たちだって、ドライバーと同じ現場で働いてる、いち従業員だ。
役員も一緒に行って、会社として社員に直接説明してください。」

会議室の空気が、凍った。
偉そうな「あの」役員が、こっちを睨んでくる。
ものすごい形相だった。

……睨み返してやった。

「睨む暇があるなら、現場の空気を一度でも吸ってくださいよ。
 それとも、怖いんですか? アンタが腐らせた現場が。」

会議は、静かに終わった。
いや、終わったというより、何も動かずに沈んだだけだった。

エアコンの風が、やけに冷たかった。

それでも、胸の奥では、まだ火が消えていなかった。
俺は、あの社長の言葉を守ったんだ。


翌朝。
江東店の朝礼に、例の役員がやってきた。
職人ドライバーとリーダーたちが並ぶ前で、
俺は深呼吸して言った。

「今日、重要な話があります」

倉庫の空気が重く沈む。
ラジオも止まり、誰かの咳払いが響く。

役員が前に出た。
「給与は、今月分の半分しか支払えません。
経営は厳しく、事業の譲渡先を探しています」

誰も動かない。
倉庫の奥から誰かが、小さく「マジかよ」と呟いた。
金属と油の匂いが、倉庫の空気に溶けていた。

役員が、逃げるように言葉を続けた。
「皆さん、今後のことは追って連絡します。
 店長、これで良いですか?」

――「これで良いですか?」
……馬鹿なのか、こいつは。

俺は一歩前に出た。
「役員は経営側の人間ですよね?
 それでも納得はされないでしょうが、
 せめて、みんなに頭を下げてください。」

倉庫が、しんとした。
一瞬の沈黙のあと、
役員がぎこちなく、本気で嫌そうに頭を下げた。
その目は、俺を睨みつけていた。

誰も拍手もせず、
ただ、それを見ていた。


朝礼のあと、一人ずつ個別面談をした。
「どうなるんですか?」
「給料、戻るんですか?」
「このまま働いても大丈夫なんですか?」

ごめん、答えなんて、俺にもわからない。

俺はとにかく謝った。
「モデル店舗にするなんて息巻いていたのに、
 結局こんな状態になってしまい、本当にすまない。」

でも、それでも、誰一人として俺を責めなかった。

「店長が悪いわけじゃないですよ。
 あなたは本当に頑張ってくれてる。」

その言葉に、胸の奥がじんと痛んだ。
気づいたら、涙が落ちていた。

夜、事務所に残って、
蛍光灯の下でノートを開いた。

ページの隅に、震える手で殴り書いた。
――絶対に、あきらめない。
それが、俺の答えだった。

そのとき、あの声が甦った。

「けどな、あきらめたら終わりや。
俺らみたいなんは、あきらめた瞬間に全部止まる。」

尊敬する社長の声。

この会社を子会社化し、
借金のすべてを背負って去っていった、
あの男の言葉だ。

俺は、そっと目を閉じた。
震える息を吐きながら、天井を見上げる。

「俺はあきらめない。

資本が変わるだけだ。
そんなの、もう経験済みだろ?

今の経営陣は腐ってる。
……むしろ、会社が変わるならチャンスだ。」

自分に嘘をついた。
でも、その嘘が、今は必要だった。


翌週、会社の資本が――また変わった。

支払われなかった、残り半分の給与も、全額支払われた。

そして、誰一人、辞める者はいなかった。

朝。
シャッターが上がる音。
エンジンが一斉にかかる音。

寒い風の中、
コーヒーを片手に立っている職人ドライバーが言った。

「ついに動き出しましたね、店長。」

俺は笑った。
「ええ、やっと再起動です。」

「新しい経営陣に、この店舗を紹介せんとあかんですね。
 ここがモデル店舗や。」

空に、春の匂いが混じっていた。

俺は、何度でも立ち上がる。
叩きのめされたって、追い込まれたって、何度だって。

あきらめなければ、生きてさえいれば、なんとかなる。

現場は止まらない。
会社がどう変わろうと、
“俺たちの再起動”は、もう――始まっていた。

言葉の余韻を、もし感じたなら

ツギクルに参加しています。
もし、私のエッセイに感じたものがあったら、クリック頂けると幸いです。

ツギクルバナー

コメント欄はありませんが、
X(旧Twitter)でそっと教えてください。
あなたの言葉が、次の物語の力になります。
@atch-k

🔜 次回予告

二度目の事業譲渡に混乱する店舗。
新しい経営陣は敵か味方か…

――次回、第13話【燃焼編】

異世界に行けなかった俺の半生。シリーズ

▶︎ 最初から順番に読む

スピンオフ作品

atch-k | あっちけい
Visual Storyteller/Visual Literature
光は、言葉より静かに語る。

物流業界で国際コンテナ船の輸出事務を担当。
現場とオフィスの狭間で働きながら、
「記録すること」と「伝えること」の境界を見つめ続けてきました。

現在は、体験を物語として届ける“物語SEO”を提唱・実践。
レビュー記事を単なる紹介ではなく、
感情と構成で読ませるノンフィクションとして再構築しています。

一方で、写真と言葉を融合させた「写真詩」シリーズを日々発表。
光・風・静寂をテーマにした作品群は、
#写真詩 #VisualStorytelling タグを中心に多くの共鳴を生んでいます。

長編ノンフィクション『異世界に行けなかった俺の半生。』は14話完結。
家庭崩壊・挫折・再起を描いた実話として、
多くの読者から支持をいただきました。


あっちけい|Visual Literature / 物語SEO創始
PVアクセスランキング にほんブログ村
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

40代・50代からの合宿免許はアリ?
👉 私の実体験ブログで不安を解消!
▶︎ あっちけい、40代で合宿免許に挑戦した話を読む

ウォーターサーバーって怪しくない?
👉 プレミアムウォーター amadana の評判、あっちけいが契約して確かめました。
▶︎ リアルな体験レビューはこちら

目次