Visual Literature– category –
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気づかれない季節 / The Unnoticed Season
気づかれない季節 かさり、と乾いた枝が触れ合った。 陽だまりの中、淡い花がいくつも揺れる。 人の手が入らない雑木林。それでも季節は、迷わずここへ来る。 足を止め... -
ガラス越しの時間 / Time Behind the Glass
ガラス越しの時間 ガラス越しの棚に並ぶ酒瓶。色あせた値札と、手書きの札。 木のドアは閉まったまま。それでも店内には、人の気配が残る。 足を止めたまま、私は少しだ... -
ハンドルの向こうの夜明け / Dawn Beyond the Steering Wheel
ハンドルの向こうの夜明け 渡る人のいない横断歩道を、ただ見ていた。信号は色を変えるのに、誰も渡らない。 ハンドルに手を置いたまま、空がゆっくり明るくなる。 動か... -
交差点の横顔 / A Profile at the Intersection
交差点の横顔 夜の幹線道路。白い破線が奥へ吸い込まれていく。 信号はまだ赤。ビルの灯りは消えない。 風がコートの裾を引く。立ち止まらない理由は、街だけが知ってい... -
青の車線 / Blue Lane
青の車線 夜明けの青に、高層ビルが静かに立つ。 大井ふ頭、羽田空港。標識の矢印は迷いなく前を指す。 行き先は無数にある。それでも私の朝は、今日も同じ車線を選ぶ。... -
赤と青の境界 / Between Red and Blue
赤と青の境界 赤信号の下、乾ききらない横断歩道の白。 歩道橋の表示が流れ、一台のトラックが坂へ消えた。 ガラスに残る赤、青に変わりきらない朝の空。 — atch-k Betw... -
光珠の花火 / Fireworks of Light Pearls
光珠の花火 紅梅の花びらに街灯が差し込み、水滴が縁で揺れた。 黒い枝が交差し、奥の緑は暗がりへ沈む。光珠がひとつ、落ちた。 線香花火の最後のように。 — atch-k Fi... -
夜に触れる水仙 / Daffodils Touched by Night Light
夜に触れる水仙 八重咲きの水仙が、重なった花びらを白く開き、細い茎を暗がりへ伸ばす。 奥はほどけず、光に当たった先が、朧げに浮かぶ。 — atch-k Daffodils Touched... -
庭に降る梅 / Plum Blossoms Falling into the Garden
庭に降る梅 枝垂れた梅が、重なりながら庭を埋めていく。 丸い蕾と、開いた花びら。濃い幹に沿って、春の重さだけが下へ集まる。 屋根の気配を背に、満開の気配が静かに... -
朝焼けにほどける白梅 / White Plum Loosening into Morning Blue
朝焼けにほどける白梅 朝焼けの青が高く残り、白梅の花が先に光を受けた。 枝はまだ硬く、丸い蕾が小さく並ぶ。 遠くの空はほどけず、開いた花が静かな始まりを外へ置く...
