
家を引っ越した時。
ワクワク感と同時に、妙な心細さを感じたことはありませんか?
特に中古の戸建ては、どんなにリフォームしても「誰かが住んでいた空気」が残っている気がするものです。
今回は、私が実際に体験した不思議な出来事を書いてみます。
怖いような、どこか温かいような、そんな話です。
楽しいマイホーム
5年前に中古の戸建てを購入した時の話です。
子供の学校の関係で、家族全員ですぐに引っ越す事ができず、最初の1年は週末だけ私が一人で寝泊まりしていたんです。
人が住まないと家が痛むと言うじゃないですか。
せっかく購入した「夢のマイホーム」が劣化してしまってはたまりません。
家は全面リフォーム済みで見た目は新しかったのですが、夜に一人でいると慣れない空気に落ち着きません。
静かすぎるのも妙に怖く、毎週のように日本酒やストロング系の酒を買い込み、酔ってから眠るのが習慣になっていました。
我ながら怖がりだと思います。
ある週末の夜、22時を過ぎて酒も回り始め、ソファで横になっていたときのこと。
起きているのか寝ているのか、意識がぼんやりする中で――。
ザワザワ……
ザワザワ……
まるで人が集まって話しているようなざわめきを感じました。
夢なのか現実なのかはわかりません。
ザワザワ……
ザワザワ……
不思議と怖さはなく、騒がしいな…と思ったくらいで、結局そのまま眠ってしまいました。
翌朝、二日酔いの頭で片付けをしていると、和室のテーブルに違和感を感じたんです。
和室のテーブルに、日本酒の入ったおちょこが4つ。
ちょうど4人で向かい合って飲んでいたかのように並んでいたのです。
一瞬、昨夜のザワザワを思い出し、背筋が冷たくなりました。
あれは夢だったのか、それとも本当に誰かがいたのか?
しかしなぜか恐怖はない。
もしかしたら亡くなった父や親戚が私の新しい家に集まり、みんなで祝ってくれたのかもしれない。
そう思うと不思議と腑に落ちました。
それ以来、我が家では月に一度、和室のテーブルにおちょこを4つ並べ、日本酒を少し注ぐようにしています。
妻も「その方がいいんじゃない?」と言ってくれています。
その後、家族全員でこの家に引っ越してきたのですが、この家に住んでから家族はケガひとつしていません。
きっと親父や親戚が、今でもしっかり見守ってくれているんだろうと思っています。
最後に
人によっては「気のせい」や「酔って見た夢」だと思うかもしれません。
けれど私にとっては、あの出来事は確かにあった不思議な体験でした。
怖いというよりも、むしろ温かい気持ちにさせられる出来事。
新しい家に馴染むきっかけをくれたのは、亡くなった家族たちだったのかもしれません。

