
季節の呼び水
梅が冬を終わらせ
桜が春を連れてきた。
躑躅が散る頃には
もう紫陽花が咲いていた。
シャッターの影の上で
ひとつだけ、静かに。
今年も、夏が来る。
— atch-k
目次
花という季節の呼び水
「庭に置いたビニールプールの水を、ホースを使って抜きたい」そんなシーンを想像してみる。
プールの中にホースを突っ込むだけでは、水は自動的にホースを登って外へは出ていかない。
何故なら、ホースの中が「空気」で満たされているから。
ホース全体に水をしっかり満たし、両端を手で押さえる。
片方をプールの中へ、もう片方をプールより低い場所に置いて手を離すと、水が勢いよく流れ続ける。
これを「呼び水」という。
「花」という呼び水は、季節のスイッチを押して、連鎖を引き起こす。
庭の片隅で「梅」がポツンと一輪咲くと、それだけで冬物のコートを片付けたり、春ものの服を買いに行ったりと、なんとなく春を意識し始める。
花自体は小さなものだけれど、それがホースの最初の一滴(呼び水)となり、生活や気持ち、街全体を「春」という大きな流れへ一気に動かしていく。
— atch-k
Each Flower Calls the Next
Plum blossoms end the winter,
cherry blossoms bring the spring.
By the time the azaleas fall,
the hydrangeas are already blooming.
On the shadow of a shutter,
one flower, quietly.
Summer comes again this year.
— atch-k

